DEVELOPER


このプロジェクトはフランソワシャルティエ×田中酒造店の共同プロジェクトです。 

FRANCOIS CHARTIER

ハーモニークリエーター フランソワ・シャルティエ

 

カナダケベック州出身、2016年からはバルセロナ在住のフランソワ・シャルティエは1980年代後半から私たちの日常生活、その中でも特にガストロノミーやワイン・飲料の世界におけるアロマの効果について追求してきました。自身を『ハーモニークリエーター』と称し、ガストロノミー界では他に類を見ない成功を収めてきました。1994年にはソムリエの世界チャンピオンとなり、出版書籍では「グルマン世界料理本大賞」を2010年(パリ)、2013年(パリ)、2016年(中国)の3度も受賞しています。シャルティエは2004年に自らの殻を破り、「モレキュラーハーモニー(分子の調和)」と称する新たな科学概念を考えだしました。この科学は食とワインや飲料におけるアロマの相乗効果の可能性に基づいています。同時に食とワインと飲料の調和を紐解くことで、シャルティエは世界のガストロノミーの歴史におけるアロマの効果を解明することができたのです。

それ以降、彼はアロマのスペシャリスト第一人者として一目を置かれるようになりました。アメリカ人ワイン評論家のロバート・パーカーJr. はシャルティエの功績を見て、「彼は生粋の天才だ!」と称賛し、一方でエル・ブジ(世界のベストレストランに5度も一位に輝く)のフェラン・アドリアは「フレーバーにおける一流の専門家」として認めています。 毎年数週間滞在する日本で彼が注目しているのが日本酒です。2018年からは、日本で最も歴史ある酒蔵の一つ田中酒造店の「マスターブレンダー」として活躍。その一本目となる日本酒「TANAKA 1789XCHARTIER 」が2020年春、世界で展開されます。 シャルティエはこの他、スペインのエル・ブジ元料理長フェラン・アドリア氏(2007年~2009年まで)や同国ムガリッツ(「世界のベストレストラン50」で7位に選出)のアンドニ・アドゥリス氏など、これまで世界の名立たる有名シェフのレシピ開発におけるアロマティックコンサルタントも務めています。

 

TANAKA SYUZOTEN Inc.

株式会社 田中酒造店
創業1789年 - フランス革命の年 - 田中酒造店は日本の宮城県に創業し、世界最高峰のお酒を醸し造り続け、2019年に230周年を迎えました。2世紀以上の間、伝統的な手法での酒造りを伝え繋いできました。その精緻な工程では昔ながらの自然の力を利用した手法や最高品質の酒米を使用する事で、最高峰の杜氏(マスターブリュワー)が造る受賞クラスの日本酒に複雑さや芳醇さ、唯一無二の特徴を与えています。 田中酒造店では建築的にもユニークな歴史があります。淡緑色の陶材で出来た瓦屋根やなまこ壁は日本伝統の宝とも言える蔵建築の独特な持ち味を体現しています。建物内の壁には、昔の酒造方法が手書きで書かれていたりと歴史を感じる箇所が残されています。田中酒造店はまるで日本酒の生きたミュージアムなのです。そしてこれからもこの素晴らしいストーリーに光を当て継承しようとしています。
2018年、田中酒造店の長い歴史に新たなチャプターが書き加えられました。田中酒造店はフランソワ・シャルティエとどのような協働が行えるかを考えるためフランソワ・シャルティエを酒蔵に迎え入れました。1週間滞在し、シャルティエはより良い日本酒を生み出す手段である。ブレンド手法が日本のどこを探しても起用されていない事に驚きました。そこで、その場で田中酒造店のお酒をブレンド。すると蔵人達も驚くほど、味わいの変化があり、シャルティエがブレンドした事により既存の日本酒達が魅了され生まれ変わったのです。 間も無くして、シャルティエは正式に田中酒造店の「マスターブレンダー(ブレンダーの巨匠)」となり杜氏「マスターブリュワー(酒蔵の最高製造責任者)」の方々と協働を始めました。同時に田中酒造店は230年続く手造り・無添加の日本酒を祝し、そのお酒に『TANAKA 1789』と名付けた。
盛川杜氏コメント
フランソワ・シャルティエはソムリエの世界大会での優勝の経歴を持つ有名なソムリエで有り「科学者」でもあります。
彼は口にした全ての物の風味香りを知覚後、脳内で分子式に変換、言語化する技能を有し様々な分野に於いてこの「アロマティック・サイエンス」を活用して魅力に溢れたペアリングの創造を行なっており、今回のプロジェクトでもその魅惑的な創造性は発揮され従来、日本酒に於いては「安定性」に重きを置く「調合」と異なり「原酒それぞれの個性」を活かし「複合的で豊かな味わい」を創り上げ、世界初の「ブレンドによる香味の倍加を施した日本酒」が完成しました。

「白ワインの市場に日本酒を」と云う「大きな柱」を構成する支柱の中に「TANAKA 1789 × CHARTIER」ではワイン同様に「テロワール」が反映されています。日本酒は原料がお米と云う穀物の為に果実とは違い保存、輸送に於いて大きな利点を持ちます。これは逆説的に云えば「風土、土地の個性を活かす」テロワールの原則から外れ易い環境で有るとも言え、フランソワは日本酒にもワイン同様に「風土、土地の個性」を重要視、「TANAKA 1789×CHARTIER」は仕込に使う水、原料のお米、稲を育む水は同じ水系、流域のみの物を使用する事としました。
そしてシャルティエはその様な「風土、土地の個性」をいっぱいに含んだお米の使用法にも注力しています。
日本酒にとって「良いお酒」とは「吟醸酒」お米の半分以上を精米、削り取り醸し、香り高く甘口のお酒が「良いお酒」と市場でも評価、認知されていますが、その中でシャルティエは酒造適性を損なわない範囲で精米を最小限に行いお米の個性を活かした風味高く滋味に溢れたブレンド用原酒の醸造を依頼しています。

重ねてシャルティエは日本酒の文化、歴史にもリスペクトを表しその意を受け、田中酒造店では創業から変わらぬ伝統的な製法をこのプロジェクトでは用いブレンド用原酒の醸造を行っています。
紀元前までに遡るワインの歴史に及ばないものの日本酒の歴史も長く、独自の製法が確立しています。

「室町時代から続く「麹蓋法」と云う麹造りの技能」

「江戸時代に確立した「生酛」と云う酒母の育成方法」

「文明開化を受け、従来法に科学的に知見を入れ再構築された「山廃造り」という酒母の育成法」

以上の技術は現代では労力、手間、技能的に継承の難しい技術で有るが田中酒造店では創業より実直に技術の継承を図り、代を重ねて酒造に勤しんでいるが其処にシャルティエは現代の感性と科学的知見を用いて新しい光を当て、海外の市場にも希求する「TANAKA 1789×CHARTIER」が完成しました。